今回は、ワンピースの中で登場した「病気・薬」がテーマです。
作中では、作者の創作による病気や薬も登場しますが、実際の病気や薬が登場することも。
この記事では、その中でも実際にある病気・薬について調べて、まとめてみました。すると、まだ作中には登場していない、黒ひげの患っていた病気にたどり着きました。
作中に登場した実際にある病気・薬とは?


1.壊血病(かいけつびょう)
東の海編で賞金稼ぎのヨサクとジョニーがかかった病気です。
植物性の栄養の欠如が原因で発生する病気で、主にビタミンC不足により引き起こされます。
症状は以下の通りです。
- 貧血による気絶
- 皮膚、粘膜、歯肉からの出欠
- 歯が抜ける
- 古傷が開く
長い航海では野菜や果物など、新鮮な食べ物を手に入れることができず、大航海時代には海賊だけでなく商船などの船員も多くかかっている病気です。かつては原因不明であったことからも致死率の高い病気とされていました。
2.潜水病(せんすいびょう)
空島編でモンブラン・クリケットがかかっていた病気です。
海底から海上へ上がる際の減圧が血液中の空気を気化させ、血流障害を起こします。
症状は以下の通りです。
- 皮膚・関節・筋肉の痛み
- 血圧低下
- 肺水腫
- 心筋梗塞
- 麻痺
ダイバーが稀にかかる病気ですが、モンブラン・クリケットは長期間頻繁に無茶な潜水を続けていたため、持病となっていました。場合によっては死を引き起こすこともあります。
3.ケスチア病(ツツガムシ病)
リトルガーデン編でナミがかかった病気です。
有毒のダニ「ケスチア」に刺されると潜伏期間を経て発生します。
症状は以下のとおりです。
- 40度以上の高熱
- 強い頭痛
- 心筋炎
- 動脈炎
- 髄膜脳炎
ワンピースの世界でケスチアは100年以上前に絶滅していますが、リトルガーデンにケスチアが生息していたことで感染しました。他機能不全で死亡するケースもあり、早期の診断と適切な治療が求められます。
4.樹熱(きねつ)※実際には存在せず、マラリアがモデル
空島編でかつて、ジャヤの住民たちがかかった病気です。
樹熱はマラリアに酷似しており、樹熱の場合は蚊ではなく樹木を媒介していました。
症状は以下のとおりです。
- 高熱
- 頭痛
- 嘔吐
- 関節痛・筋肉痛
また、作中でノーランド・モンブランが用いた薬「コニーネ」も、マラリアの特効薬である「キニーネ」をモデルにしているとされています。
また、他にもワンピースではトラガルファー・ローのかかった「白鉛病(はくえんびょう)」があります。最初は、その白い街の風景や、犠牲となった街の印象から「原爆」がモデルとなったのかと考えていましたが、今回調べていくうちに「鉛白(えんぱく)」というワードが目につきました。
鉛白はかつておしろいとして女性に使われていましたが、実は人体に「有害」であるものだったのです。そのため、使用が禁止されることとなりましたが、女性たちはそれでも使い続けたといいます。
作中の白鉛病とは症状などが大きく異なりますが、作者がこの鉛白のエピソードから、「白」そして「有害だとわかっていても使用しつづける」というキーワードをもとに、作者がインスパイアされた可能性があるのではないでしょうか。
黒ひげが患っていた病気とは?


この記事で紹介する黒ひげの病気とは、ワンピースの黒ひげ(マーシャル・D・ティーチ)ではなく、18世紀に実在した海賊、黒ひげ(マーシャル・ティーチ)についてです。
マーシャル・ティーチはマーシャル・D・ティーチのモデルとされています。
この、黒ひげの難破船「アン女王の復讐号」の発掘作業を行っていた考古学者チームは、その残骸から様々な医療器具を発見したそうです。
その発見された医療器具の一部は以下のとおり。
- 尿道注射器
- 2つのポンプ
- 金属製のボウル
尿道注射器は梅毒の治療用、そして金属製ボウルは瀉血(しゃけつ)用であったと考えられています。瀉血は耳馴染みがない言葉ではありますが、患者の血液を治療目的で除去する処置を指します。
そして、その瀉血は梅毒の治療でも用いられていました。
そもそも梅毒とは、性的な接触を主とした、粘膜や皮膚との直接接触によってうつる感染症です。現在は早期の薬物治療で完治が可能ですが、現在においても検査や治療が遅れたことにより長期間放置されると脳や心臓に重大な合併症を起こすことがあります。
大航海時代では、船乗りや売春婦によって各地に拡散された病気だとされており、黒ひげや船員たちもその病気を患っていた可能性が高いとされています。
日本でも戦後に薬が入ってくるまで、長きにわたり不治の病とされており、遊郭の女性たちなどが多く命を落とした病気でもあります。
ワンピースは少年誌ですから、性病の一種である梅毒を登場させるかはかなり怪しいところではありますが、黒ひげ(マーシャル・D・ティーチ)がなんらかの病気を患っているという設定は用いられるかもしれません。
もしそうであれば、医療大国「ドラム王国」を襲撃した理由にもつながるでしょう。
まとめ
いかがでしょうか。
作者の尾田先生はワンピースに実際に存在する病気や、神話など様々な要素を盛り込まれるため、読むだけで知らず知らずのうちに知識も身に付きますね。
作中には登場していない「黒ひげ」の病気については、今後描かれることはあるのでしょうか。また、その際にはどのような病気として登場するのでしょうか。
今後の展開も気になるところですね。